190304_床下エアコンのスペック検討
熊谷建設 専務の熊谷佑人です。
本日も床下エアコンに関して。
家電量販店で購入できる普通のエアコンで床暖房を行う『床下エアコン』
新潟県内にも「当社独自の床下エアコン暖房~」と強調される会社さんがおられますが、仕組みは単純で何ら特殊な工法ではありません。
関心を持たれる方が多いので、今回はエアコンの機種選定方法を紹介します。
熊谷建設モデルハウス『熊谷佑人邸』を例にとって、計算してみます。
※何やら聞きなれない言葉が出てきますが、別ページで解説しております。
そちらもあわせて読んでいただければ家づくりの参考になると思いますので是非。
暖房設備の必要能力は、次式で求められます。
Hmax=n×{(ti-to)×qa-W}
Hmax 暖房設備容量 W/h
n 補正係数 n=√(24/T) Tは暖房時間
ti 暖房設定室温 ℃
to 暖房設計用外気温 ℃
qa 住宅の総熱損失係数 W/K
W 室内取得熱(W/h)
qaとWは燃費計算結果から読み取ります。
では一つ一つ必要なデータを確認していきます。
まずは、n(補正係数)を求めるための暖房時間。
熊谷佑人邸は床下エアコンを利用して、全館暖房を考えています。
就寝時や不在時ははエアコンを消す設定で計算します。
T=24-10=14
なので、 n=√(24/14)=1.31となります。
つぎは ti の暖房設定室温
暖房設定室温 は20℃で設定します。
つぎは to の暖房設計用外気温
新潟県新発田市の最も寒い冬の夜というと-3℃程度でしょうか
暖房設計用外気温 は -3℃で設定します。
つぎは qa 住宅の総熱損失係数
燃費計算結果から 122.1 とおきます。
これはQ値に吹き抜けを含めた床面積を掛けた数値です。
つぎは W 室内取得熱
室内取得熱は室内発生熱と日射取得熱の和で求められます。
室内発生熱:4.65W/㎡×165㎡=767.3W
日射取得熱:260.7W
なので、室内取得熱は 767.3W+260.7W=1028W
必要な値はすべて求められました。最初の式に当てはめてみます。
Hmax=1.31×20-(-3)×122.1―1028=2650.1W/h
念のため、安全率1.7をかけます。
2650.1×1.7=4505.2W/h
これで、『熊谷佑人邸』に必要な暖房設備の能力がわかりました。
さて、これをエアコンの機種で探してみます。
良さそうかなぁ、と思うのが
パナソニックのエオリアXシリーズ CS-X408C2 14畳用
↓が本体のスペック
熊谷佑人邸を20℃に保つためには4505.2Wの暖房能力が必要なことがわかっています。
上記のスペック表より、CS-X408C2には5000.0Wの暖房能力があることがわかります。
4505.2W<5000.0W
つまり、14畳用の床下エアコン1台で全館暖房が可能、ということになります。
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